四十二輪 ページ42
何枚か写真を撮ってもらった後、私と佐久羅さんはそれぞれ自分の部屋に帰った。
帰った時に姉から夕食の時間が近いから地下一階に降りようと言われた。
地下一階に降りた先には世話人の毛利さんがいた。
『毛利さん』
毛利「お待ちしておりました 朝雲様 冬野様」
冬野「すごい豪華な食卓ね」
『そうだね
薔薇ジャムとか薔薇茶とか出てきたりして?』
金「おおー!すげー!」
私達が地下のダイニングテーブル前でまだ見ぬ夕食を楽しみにしていると、一階から金田一君、美雪ちゃん、白樹先生、佐久羅さん、春風さん、ルフェちゃんの6人が続々と降りてきた。
毛利「未成年の方にはあまり馴染みがないものではありますが、この地下にはワインセラーがございまして主からそこにあるワインは好きに飲んでいいと言われております」
小金井「ほほう!
そいつぁ嬉しいな!」
祭沢「さっきセラーを覗かせてもらったけれどなかなかいいワインがありましたよ!」
酒類に関しては年齢的に飲めない未成年には全くもって未知の世界である。
右隣に美雪ちゃん、左隣に春風 ルフェちゃん、向かい側にはお姉ちゃんが座っているのが見える位置に私は座った。
こういった大人数が顔を合わせる形でディナーをするのは極問塾の勉強合宿以来である。
毛利「できたてではございませんが 十分に温めてまいりましたローストチキンでございます」
そのローストチキンの上に先週何度も見たクロッシュが被せられていて、もしかしたらローストチキンの中に睡眠薬が混ぜられているのではないかと不穏な妄想ばかりしてしまう。
美雪「温めたにしてはお皿が冷たい気も…」
『えっ?』
金「ま!
とりあえずいただきまー」
毛利「あっ!ダメですお客様!」
金「え」
お腹が空いているからクロッシュを開けるぐらいは許されるはずなのだが…
毛利「まず十字の形をした館そのものに祈りを捧げていただき、その後一斉にクロッシュを開けるようにときつく言われておりまして」
なんと面倒な
まぁこの館をロザリオが何かだと思えばいいだけの話か…
そう思いつつ、クロッシュを開くのを止めた毛利さんを見ると、彼が持っていたのは聖書ではなく旧約聖書であった。
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時