四十一輪 ページ41
春風「すまない…
大の大人が高校生の前で泣き顔を晒すなんて恥ずかしい真似はするべきではなかったな…」
『い、いえ…
誰だって泣きたい時くらいありますし泣ける時に泣いておいた方がいいと思います』
春風「はは
君は随分と寛容な人間だね」
『…そんなことないですよ』
春風「まぁ今更こんなことを言うのはおかしいかもしれないが…
これからもルフェと仲良くしてやってほしい」
『勿論です!』
春風「まだ夕食までは時間があるから一度私は部屋に戻るよ」
『また夕食の時にお会いしましょう』
春風さんは南の部屋に、私は西側のお姉ちゃんと泊まる部屋に戻る前に西端にある扉の先を見てみたいと思い、111号室から見て南西にある扉を開けた。
『綺麗…!』
こちらにも北側玄関と同じく、色とりどりの薔薇で形成されたアーチが延々と続いていた。
南側に進んでいくと見覚えのあるカメラを持った若い男性が薔薇のアーチを撮っていた。
佐久羅「あ、朝雲さん」
『あっ、佐久羅さん
そ…その…
初対面でいきなり変な話をして申し訳ございませんでした』
佐久羅「えっ!?
い、いや別に気にしてないよ」
心が広くて助かった…
『そういえばそろそろ逢魔時ですね』
佐久羅「君 よくそんなこと知ってるね」
『えぇ
この時間は昼と夜が移り変わる絶妙な時間なので好きなんですよ』
佐久羅「なるほど
あ、あの〜」
『はい?』
佐久羅「薔薇のアーチをバックに写真を撮ってもいいかな?」
『もちろん!』
自己紹介の時のことを反省したのか今回はちゃんと許可を聞きにきてくれた。
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時