四十輪 ページ40
春風「……2年前のホテル火災の真実と…私の犯した罪を告発すると書いてあったよ
ルフェが付いてきてくれたのは私の自決防止のためかもしれないな…」
『2年前のホテル火災…？
もしかして春風さん…
ローズグランドホテルの火災に巻き込まれていませんか？』
春風「！
何故それがわかった？」
『いえ…
実は私もあの火災にあったホテルに泊まっていて…
あと春風さんの名字が薔薇の名前だな〜と今更気付いて』
春風「…親友にも同じことを言われたよ」
『親友の方も薔薇が好きなのですか？』
春風「あぁ
あいつと、あいつの娘さんは薔薇が大好きだったんだ」
『！』
まさか…
春風弁護士の親友は…
その娘さんは……
春風「そんな親友を止めていればよかった…
一般公開の日に見に行けばいいと言っておけば…
親友も…娘さんも…」
『……』
春風「私は…2人の人間を見殺しにしてしまったんだ
私がちゃんと起こしに行っていればあの2人は助かっていたかもしれないのに…！」
『そんな…
貴方のせいじゃ……』
春風「いや…私に責任があったんだ
ホテル火災から半年も経たないうちに15歳の娘が交通事故で亡くなったのは私への報いだったんだよ」
『……』
あのホテル火災で何の被害も受けなかったと言っても過言ではない私は目の前にいる春風弁護士に対して何も言えなかった。
この人は火事の現場で親友とその娘さんを助けられなかった罰として自分の娘さんを亡くしてしまったとずっと悔やんでいる。
今下手なことを言ったら春風さんを逆上させかねないので私は黙って見守ることにした。
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年8月25日 16時
