三十九輪 ページ39
春風「だから最初にルフェに伝えたんだ
私達夫婦は君を亡くなった娘の代わりだなんて思っていない…と」
『……ルフェちゃんは
それで納得したんですか？』
春風「どうだろうな…
初対面で言ってしまった言葉だからまだ引きずっていてもおかしくないとは思っているよ」
『……』
春風「出会った当初 とんでもない失言をしてしまった私達夫婦を本当の父や母のように慕ってくれた優しい子なんだ。
あの子があの凶悪犯罪者と半分血の繋がった妹なはずがない…
それは私が1番わかっているはずなのに何故一瞬疑ったんだろうな…」
『……もしかして
春風弁護士の元にも脅迫めいた内容の手紙が届いていたりしませんか？』
春風「なっ！？
何故それを… あっ…」
『なるほど
…ちなみに私の元にも脅迫めいた内容の手紙が届いていますよ』
春風「君にもか！？」
『えぇ
どうやら私が見殺しにしてしまった誰かの遺族が私を恨んでいるらしくて…
私がこの薔薇十字館に来て改悛の意を見せなければ母を毒薔薇の棘で殺す…と』
春風「なっ！？
それは警察に…」
『勿論報告していますよ
それと…
つい先週私が巻き込まれた事件の犯人の遺族のことを調べてもらいました』
春風「じ、事件に巻き込まれた！？
し、しかも先週って…
都内で芸能プロダクションの社長が殺されていたり、兵庫で7人が殺害されたり…
なんか…その…
凄かったんだよなぁ…
確かルフェは兵庫の事件に巻き込まれて…」
『兵庫の事件の目撃者です…』
春風「…そうか
あれ
確かあの事件の犯人って…
青藍病院の女医さんとルフェと同じ年の男の子だったんだよね？
ということはかなり大変だったんじゃないの？」
『えぇ
ですが少年の方の犯人は遺族らしい遺族が殆どいなくて候補からは外れました。
そして女医側の遺族も調べてもらったんですけど…
この薔薇十字館のことを知った人なんて誰一人いなかったそうです』
春風「……」
『ところで…
春風弁護士の元に届いた手紙にはなんて書いてあったのですか？』
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年8月25日 16時
