三十八輪 ページ38
春風「あの高遠 遙一に脅迫めいた手紙を送った…だと?」
『しかも命を狙っているのが高遠さんではなく、彼本人が存在すら知らない妹なんですよ』
春風「存在すら知らない妹…?」
『異母妹…いわゆる腹違いの妹ってやつらしいです』
春風「なるほど…
確かに父親が別の女性との間に作った子どもなら存在を知らなくてもおかしくはないが…」
『高遠さんの年齢は23歳なのでその年から少し下くらいの女性だと思うんですけど』
春風「23歳より年下の女性…
ま、まさかルフェ…!」
『えっ!?
ちょ ちょっと待ってください
ルフェちゃんは貴方の娘では…?』
春風「違うんだ…
ルフェは…
あの子は私達夫婦が三浦孤児院から迎え入れた養子なんだ…」
『えっ!?
孤児院から迎え入れた…養子…!?』
春風「あぁ
今はもう殆どが終わってはいるのだがあの子の故郷のクロアチアやその周辺諸国は10年前くらいから紛争地帯でね…
2年ほど前、クロアチアの首都に住んでいた日本人外交官夫婦に助けられて三浦孤児院に入るまでに、ルフェと血の繋がった家族全員は紛争で亡くなっているんだよ」
『そ…そんな……』
春風「そして…
私達の間に生まれた娘はルフェが日本に来た年と同じく、2年前に亡くなっているんだ」
『!?
そ、それはルフェちゃん本人には伝えているんてすか?』
春風「勿論だよ
だってルフェと初めて対面した時、妻が娘が返ってきたんだって口走ってしまったからね」
『……』
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時