見習い奇術師の事件簿【薔薇十字館殺人事件】 (ページ31)

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三十一輪ページ31

高遠遙一もとい遠山遙治氏の金田一君との友達発言に少し肝が冷えた時、カメラのシャッターが3回ほど鳴る音が聞こえた。

写真家の佐久羅さんが持っているカメラの音だろう。

遠山「何を撮っていらっしゃるのですか？」

そしてまさかのシャッターとレンズを向けた先が神をも恐れぬ地獄の傀儡師とはものすごい度胸の持ち主である。

佐久羅「あっ！失礼しました

写真家の佐久羅京です

薔薇をモチーフに写真を撮っていました」

高遠…もとい遠山さんの近くにお姉ちゃんが作ったプリザーブドフラワーが飾られていたことが佐久羅さんを救ったようだった。

遠山「見事な青薔薇ですね

しかし…」

「そうあの青は染めたものです」

『貴方は？』

「こんにちは赤い薔薇のような美しいお嬢さん

私は株式会社バイオ・フェスの社長祭沢一心と申します」

『こ、こんにちは

不動高校2年の朝雲 Aです』

さらっと赤い薔薇みたいと誉められたのだが？

私の名前と同じくする薔薇は赤色と黄色が混ざった薔薇なので赤い薔薇というのはあながち間違いではないが…

ちなみにお姉ちゃん曰く母の名前であるアイリーンという名の薔薇は華やかな桃色の薔薇らしい。

そう、母の名前は奇跡的に名字もファーストネームも薔薇と同じ名前なのだ。

白樹「バイオフェスってバイオテクノロジーで次々に新種の花を開発して話題になっている…！？」

祭沢「ハハハご存知の方がいらっしゃるとは

さすが青薔薇の完成披露会ですね！」

ほぅ…

バイオテクノロジーがあれば新種の花ができあがるのか

技術の進歩とは素晴らしい

祭沢「この薔薇の青も確かに美しいが

内側から醸し出される“真の青”に比べればやはり安っぽい色だ」

安っぽいとは失礼な…

「安っぽいとは失礼な言い方ね！」

『お姉ちゃん！』

祭沢「ん？

あなたは？

…っ！？」

お姉ちゃんと私は姉妹だからか何となく言いたいことは似ていたみたいだ。

だが一つ気になったのは祭沢社長と目があった時、お姉ちゃんは何かに驚いたように見えた。