二十八輪 ページ28
『……そろそろ私も玄関ホールに戻っておくか』
特にやることもなく荒れた状態の部屋を直す理由も私にはなかったので、開きそうにない扉ばかりのこの部屋からでは一階に戻れないので、螺旋階段を使って地下の部屋まで降りてその部屋の西扉を開けて廊下に出た。
地下中央部にある螺旋階段を目指していたとき、私が来た時には開いていなかったワインセラーの扉が開いているのを見つけた。
おそらく私が知らない他の大人の参加者の誰かが中に入っているのだろう。
私はワインが飲める年齢でも、ワインに興味があるわけでもないので素通りした。
夕食時に使うであろうダイニングテーブルを横目に螺旋階段を登って一階にたどり着くと玄関ホールに
は白樹先生と見たことのない若い男性がいた。
『白樹先生!
あ、あの〜そちらの方は?』
「あっ!こんにちは
俺は写真家の佐久羅 京です」
『!』
さくら…?
『わ、私は不動高校2年の朝雲 Aです』
佐久羅「不動高校ってことは白樹さんの生徒さん?」
『え、えぇ そうですよ
し、白樹先生からは生物を教わっています』
白樹「朝雲さんはとっても優秀な生徒なんですよ」
佐久羅「なるほど!」
『い、いえ、私は別に……』
白樹「どうしたの?
さっきはそんな謙遜するようなこともなかったのに…」
『先生
人は成績や見た目だけでは判断しきれない内面を持っているものなんですよ』
白樹「!?
ど、どうしたの?
何か思い詰めていることがあるの?」
『思い詰めている…というよりかは…
白樹先生、さくらさん
どうか私の懺悔を聞いてはくれませんか?』
佐久羅「懺悔?」
『私は…
まだ17歳の若い少年…
八鶴 真央君を見殺しにしてしまったんです…!』
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時