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二十七輪 ページ27

高遠「まさか…



やってもいない罪に未だ苛まされているなどという笑えない冗談は言わないでくださいね?」



『!



笑えない冗談……か』



高遠「さて、もうそろそろ金田一君達が薔薇十字館最寄りのバス停まで来ている時間なので私は毛利さんと共に迎えに行きます」



『くれぐれも金田一君に危害を加えないでよ?』



高遠「貴方が心配しなくとも私は彼に、危害なんて加えませんよ」




『……』



そう言い切った彼は特に私の顔色を伺うことなく螺旋階段で地下まで降りていってしまった。



毛利さんも同伴しているから薔薇十字館に着くまでに事件が起きるようなことはないとは思うが…




『あっ…』



彼が今私がいる部屋の真下にある地下の部屋から立ち去った後一つ気づいてしまった。



この時計をくれた主に対して腕時計の方位磁石機能が壊れてしまったと申告するべきだった。




どうせ足が早いからさっさとホールに行っているだろうなと諦めて私はさっさとアピアリングケーンを元の小さなロールに戻した。



極問塾の勉強合宿の際も携帯電話を隠して持ち込めたのだから小さくなるアピアリングケーンも余裕で持ち込めたはずなのだが、あの時は真面目な勉強合宿だと思っていたのでマジックグッズを何一つ持ち込んでいなかったのだ。




今手の中に収まっているアピアリングケーンがあれば2回も頭を怪我することはなかったのか…と今更な後悔をしてしまった。

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設定タグ:金田一少年の事件簿   
作品ジャンル:ミステリー
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時

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