見習い奇術師の事件簿【薔薇十字館殺人事件】 (ページ24)

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二十四輪ページ24

元々膝立ち状態で目の前にいる殺人鬼を見上げていた私だったが、彼が距離を保ったままで私に近づいてくる様子がなかったのでゆっくりと立ち上がり、顔から数10センチは離れた位置に飛び出たアピアリングケーンを首元から数センチ程度の距離まで近づけた。

普段ならここまで武器のようなものを近づけたら軽く笑って握り返すぐらいはしてきそうなのだが、何故か今日は何もしてこない。

かえって不気味なのでやめてほしい

『答えて

何故ここにいるの？』

高遠「異母妹をローゼンクロイツの魔の手から守るためですよ」

『いもうと…？

それにローゼンクロイツって…』

高遠「おや、あなたも知っているなんて」

『あなた…

ローゼンクロイツじゃないの？』

高遠「何を言ってるのですか？」

『どういうこと…？

あなたが私が改悛の意を見せなければ母を毒薔薇の棘で殺すという脅迫を込めた手紙と完璧な青薔薇を送りつけて私や姉を誘き寄せたんじゃないの？』

高遠「まさか

あなたの母君を殺す理由もあなたの姉を呼ぶ理由も私にはありません」

『まぁそれはそう…かな

あなたと再会した極問塾の時も、先週の万聖節事件の時もあなたは母には危害を加えなかった』

高遠「朝雲アイリーンさんは私の母にとって義理のある方ですからね」

『とりあえずあなたが母の命を狙ってないことが確定して安心したよ』

高遠「ならそのアピアリングケーンはしまってくれませんか？」

『それはちょっと聞けない頼みよ』

高遠「おや、強情ですね」

『なんとでも言いなさい

私はまだ聞き足りないことがあるわ』

高遠「…ほぅ…」

『あの青い薔薇は何？

染色した匂いや茎を切った跡も無い完璧な青い薔薇…

自然には生まれないあの青い薔薇はなんなの…？』

高遠「あなたも青い薔薇を受け取っていたんですか…？」

『！？

えぇそうよ…』