見習い奇術師の事件簿【薔薇十字館殺人事件】 (ページ22)

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二十二輪ページ22

八重姫「ねぇA

1人でそんな何回もやってて飽きないの？」

『ん～

案外ハマると楽しいから何回もやっちゃうんだよね

まぁでも時間くらいは気にしておいた方がいいかな…』

ビリヤード用品達を元あった場所に直してから、久々に腕時計で時間を確認した。

午後3時

まだ明るい時間ではある。

そして何を思ったのかふと、時計の真下についてある方位磁石も見た。

実はこの腕時計は方位磁石付きという山の中などで遭難した時にはぎりぎり命綱になるかならないかの機能を持った優れものなのである。

だが方位磁石の方は少し違和感があった。

だから確認を取るために姉に聞いてみた。

『ねぇお姉ちゃん

この遊技場って私達の部屋のほぼ真下にあるんだよね？』

八重姫「えっ？

まぁそうなんじゃないの？

私達の部屋は西の端近くで、ここも階段降りて1番西にある部屋だし…」

『だよね…』

八重姫「どうしたの？」

『いや…なんだろう

多分この方位磁石の方が壊れてるのかなって』

八重姫「方位磁石なんて持ってきてたの？」

『違うよ

腕時計と方位磁石が合わさったハイブリッド腕時計だよ』

八重姫「すっごいもの持ってきてるのね

でもそれが壊れてるって？」

『うん

今私南に体の前面を向けているはずなのに何故か南東方向を方位磁石は示しているのよね』

八重姫「えぇ？

そんなことある？」

『うーん…

2年やそこらでこの時計や方位磁石が壊れるなんてことってないんだろうけどさ」

八重姫「まぁ青薔薇の披露会が終わったら一旦修理に出してくるみたら？」

『うん、そうだね』

八重姫「じゃああと最後のバスが来るまでは部屋の中で待っておきましょ」

『うーん…

まだ私はこの館中探索してみたいからまた後で戻るよ』

八重姫「えっ

あんま動き回って迷子になったりとかしないでよ？」

『わかってるって

すぐ戻るから大丈夫！』

そう言って私は遊技場以外の地下の探索を

姉は螺旋階段を使って一階まで戻っていった。