見習い奇術師の事件簿【薔薇十字館殺人事件】 (ページ21)

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二十一輪ページ21

『わぁ！

晴れ渡った空色の薔薇と神の祝福を受けた瑠璃色の薔薇が集まって見事調和しているからこそ醸し出される美しさ…

お姉ちゃん素晴らしいわ！』

八重姫「本当いつもどんな時でも褒めてくれるんだから」

『当たり前よ！

お姉ちゃんの作品に悪いものなんてないわ！

お姉ちゃんこそ、私にとって1番のフラワーアーティストだわ！』

八重姫「もう…

褒めても何も出ないわよ？」

『えへへ

あ、そうそうお姉ちゃん

この館の見取り図にさ地下遊戯場ってのがあったけどお姉ちゃんそこ行ったことある？』

八重姫「地下遊戯場？

いや、行ったことないけど…」

『一緒に行こうよ！』

八重姫「えっ

別に遊びに来たわけじゃないんだけど…」

『まぁ確かにそれはそうだけど…

まぁちょっとだけ、ちょっとだけだからさ！』

八重姫「うーん…

まぁちょっとなら…」

『やったぁ！』

八重姫「さっきまでの辛気臭い会話が嘘かのようなテンションの上がりようね…」

.お姉ちゃんに若干呆れられつつ意気揚々と長い螺旋階段の先にある地下一階まで降りた私は、地下の1番西の部屋にある遊戯場を目指した。

位置的に私達が泊まる部屋の真下にある。

鍵は開くかなとドアノブを捻ると割と簡単に開いた。

『おぉ…

ダーツボードにビリヤード台がある！』

八重姫「へぇ…

薔薇ばっかりの館かと思ったけど案外こういう余興か何かに使うための部屋もあるもんなのね…」

中々総じて悪くない。

薔薇十字館に泊まれる人数分のキューとそれ以外のビリヤード用品の全てが揃っている。

『久しぶりにやってみるか』

八重姫「えっ！？

Aビリヤードできるの？」

『うん！

高校で仲良くなったお友達が教えてくれたんだ』

八重姫「なるほど…」

『お姉ちゃんもやってみる？』

八重姫「いや、私はあんまり興味ないから見てるだけにしておくわ」

『ん…わかった』

まぁ興味ない人に無理強いをしたら仲がこじれるからね

無駄な争いは避けるが勝ちってやつよ