十九輪 ページ19
八重姫「恨み……」
『どんなにくだらない恨み言でも私は受け止めるわ』
八重姫「やっぱり貴方どこか変な子よね」
『そうかな？』
八重姫「そうね…
貴方は年の離れた半分血の繋がった可愛くて優しい妹に間違いないのだけどね…
私はお母さんのことがずっと嫌いだったのよ」
『えっ…』
八重姫「お母さんが私の代であの完璧主義、教育熱心をやめてくれていたらまだよかった。
だけどお母さんは改心することなく貴方に習い事ばかり…！
お母さんそっくりな貴方が外にばっかり行くからそれで貴方は誘拐されかけたんじゃ…」
『っ！』
八重姫「ねぇA
貴方って反抗期来たことある？」
『えっ…？
うーん
私ママに反抗して受験生なのにパパのショー何度も観に行ってたよ？
特に怒られることもなかったよ』
八重姫「えっ…マジ…？」
『マジ
まぁママの堪忍袋の緒が切れないように勉強もスポーツも優秀な成績を収めるように頑張ったよ』
八重姫「なるほど…
優秀な成績を取って反抗期を認めさせるって逆に凄いわね…
なんか貴方って私とは違って元から天才なのね」
『違う！私は元からの天才なんかじゃない！
私は色んな人が助けてくれたおかげで…それで努力が実ったのよ…』
八重姫「ご、ごめん…」
『でもねお姉ちゃん
私を助けてくれた人は…
悉く人の道を踏み外してしまったの』
八重姫「えっ…
それってどういう…」
『東京と軽井沢で合計3人の男性が17歳の少年に殺された事件って知ってる？』
八重姫「えっ…
うーん…」
『殺された3人の男性はね
火祀コーポレーションっていう企業の関係者で…
その人達は私の小学生6年生時代の友達…
その子の家族から奪ったお金で成り上がったとんでもない人達だったの』
八重姫「！
そ、それって強盗…」
『そう…
そしてその人達は全く意図していない形で友達の家族は友達だけを残して事故死してしまったの』
八重姫「！」
『お姉ちゃん…？
どうしたの？
震えてるよ？』
八重姫「ね、ねぇ
も、もしかしてその火祀コーポレーションの3人って…
アンタの友達が殺したの……？」
『…お姉ちゃん随分と察しがいいね
その通りだよ』
八重姫「！」
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年8月25日 16時
