十五輪 ページ15
毛利「お客様
ここからは徒歩でお願いします」
『あ…はい』
結構な山道を車で送ってくれたのだから後は自分の足で歩くことなどなんのこれしきであった。
白樹「わぁ
凄い薔薇のアーチ!」
薔薇十字館は入り口の薔薇のアーチからもう既に豪華絢爛であった。
維持費がとんでもないだろうな…という野暮な感想は心の中にしまっておく。
毛利「この薔薇のアーチを抜けると館が見えてまいります
アーチに使われている薔薇の棘は大変鋭いのでどうぞお気をつけ下さいませ」
ルフェ「美しいものには棘がありますからね」
その理屈でいくと貴方も何らかの地雷があるという解釈でいいのか…と言ったら友達を疑っているような言い方にしか聞こえないのでとても本人の前では言えなかった。
歩くこと5分ほどで薔薇十字館に入るための扉前に到着した。
毛利さんに開けてもらって入れるようになった薔薇十字館は窓のモチーフに十字が使われていたり、館の至る所に薔薇が飾られていたりで中々お洒落だ。
館の主人とはまだ対面していないが中々いい趣味をしているのは間違いない。
ルフェ「あら…
私達よりも前にお客様が来ていたのね」
ルフェちゃん曰く先客がいるとのことで探すと、館の中心、ホールあたりに見覚えのある茶髪の女性がいた。
『お姉ちゃん!』
ルフェ「お姉ちゃん!?」
「えっ!?
A!?
ど、どうしてここに…!?」
私と姉の再会はいつもこんな風に私が突如として姉の前に現れ、姉を驚かせることばかりである。
毛利「ふ、冬野様と朝雲様は姉妹なのですか?」
『ちょーっと事情は複雑ですが私と姉は正真正銘血の繋がった姉妹です!』
「いや、私達一般的な姉妹みたいな感じじゃなくて半分だけ血繋がった姉妹だから」
『細かいことは気にしない!』
「気にしなさいよ!?」
春風「え、えーっと朝雲さん
そちらの女性は……」
「私はブリザーブドフラワーアーティストの冬野 八重姫です」
『私の姉です!』
ルフェ「姉…」
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時