見習い奇術師の事件簿【薔薇十字館殺人事件】 (ページ13)

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十三輪ページ13

とりあえず、警察関係者の方に相談できて安心した私は仕事終わりの母に薔薇に関するものをあまり無闇に触らないでと釘を刺しておいた。

母は不思議そうな顔をしていたが薔薇の棘自体刺さったままにしたら大変なことになるから花びらしか触らないと跳ね返された。

それはそれでいいのか

母の様子には少々不安を覚えながらも運命の日がやってきた。

母には友達と花の発表会に行ってくると伝えた。

まさか花は花でも青薔薇だとは思わないだろう。

青薔薇だと伝えたら怪しまれるのであえて言わないことにした。

ささやかな食事やベットや食事は出してくれるらしいが、服を貸すなどの情報は無かったため、一応パジャマくらいは鞄に入れた。

なんと交通アクセスが1日4本程度のバスしかないという陸の孤島

石塊旅館でも1時間に2本バス来たんだぞ…

どうなってるんだ

色々不満や驚きで心がぐちゃぐちゃになってはいたが、手紙で指示されていた通り、薔薇十字館最寄りのバス停まで着いたのでバスから降りることにした。

見渡す限りの田舎である。

「A？」

『！？』

不意に自分の名前を呼ばれたので驚いて振り返った。

だが私を呼んだ女の子の顔はよく知っている顔だった。

『ルフェちゃん！』

声の主は先週不動高校に転校してきたばかりで、石塊旅館の殺人事件に巻き込まれた美少女春風ルフェちゃんだった。

瑠璃を閉じ込めたかのような美しい青色の眼がとても綺麗である。

「ルフェ

お友達かい？」

ﾙﾌｪ「えぇそうよ

隣のクラスの子だけど仲良くしてくれてるのよ

お父さん」

『お父さん？』

それにしてはあまり似てないような…

「私は弁護士の春風香葵と申します

いつも娘がお世話になっております」

春風さんから受け取った名刺には春風法律事務所、弁護士春風香葵と書いてあった。

『弁護士さん！？

こ、こんにちは…

私は朝雲 Aと申します

こちらこそルフェちゃんにはお世話になっています』

ルフェちゃんのお父さんハイスペックすぎる…

「もしかして…

朝雲さんと春風さん？」

『えっ！？

し、白樹先生！』

今日は予想外の会合が多いようだ。