十二輪 ページ12
明智「さて、話を戻しましょう
貴方の母上の命を狙う旨を書いたという脅迫状について教えていただけませんか?」
『えぇ 読みますね
貴方が見殺しにした命の数はあまりにも多い、貴方が改悛の意を見せない場合、貴方の美しい母君は毒薔薇の棘で永遠の眠りにつくでしょう…
というかなり婉曲的な内容なのですが…』
明智「毒薔薇の棘…ですか
そもそも送り主が誰かはわかりますか?」
『ローゼンクロイツと名乗る人物です
間違いなく偽名でしょうけれど』
明智「ローゼンクロイツ…
ドイツ語で薔薇十字を意味する言葉ですね」
『薔薇十字…?
そういえば手紙の冒頭でローゼンクロイツ氏が来週の土曜日、薔薇十字館で開く青薔薇の完成披露会にご参加くださいって書いていたんですよね…』
明智「薔薇十字館?
それに青薔薇の完成披露会…?
青い薔薇は色素の遺伝子上自然発生はしないはずでは…?」
『えぇ 普通ならそう考えます。
ですが手紙と一緒に何の染料も使っていない、完璧な青薔薇が同封されていたんですよ』
明智「青薔薇が完成したというのは本当のようですね…
つまり貴方が青薔薇の完成披露会が開かれる薔薇十字館に行って、ローゼンクロイツ氏の気に召すような改悛の意を見せなければ、朝雲アイリーンさんの命が狙われる…ということですか」
『やはりそうなりますよね
ローゼンクロイツなんて洒落た薔薇の名前を使っているのに殺害手段に毒薔薇を使うなんて…
これでは今も逃走中のあの人と同じですよ』
明智「全くです
それにしても…
朝雲アイリーンさんの守護手段を考えないといけませんね…」
『とりあえず薔薇に関するもの全てに触らないよう釘を刺しておくことしか…』
明智「このような手紙が何度も送られてきているわけではないので警察は動きづらいのが非常に申し訳ないです」
『い、いえ
明智さん達はいつも忙しいですから
今日ここまで親身に話を聞いてくださっただけでも非常にありがたいことですから』
明智「いいんですよ
警察は市民を、正義を何よりも守る組織ですから
何か困ったことがあればいつでも相談をしてください」
『ありがとうございます!』
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年8月25日 16時