十一輪 ページ11
明智「八鶴 真央君は確かに貴方や金田一君の前で飛び降り自 殺をしたと聞いています。
しかし貴方は彼を直接高いところから突き落としたわけでもなく、彼に復讐殺人を持ちかけてはいない
貴方は…
背負うべきでない十字架まで背負ってしまおうとしている」
『背負うべきでない…十字架…』
明智「それにしても…
何があって貴方がそこまで追い込まれているのですか？
今の貴方と似たような状況だった濱さんを貴方は無実だと言って庇ったのに」
『…そうでしたね
実は…
私が改悛の意を見せなければ私の母の命を狙うといった内容の脅迫状のような手紙が送られてきたのです』
明智「脅迫状！？
しかも貴方の母…朝雲アイリーンさんの命を狙うとは…」
『送り主が母の命を狙うのは私が見殺しにしてきた命があまりにも多いから…という理由だそうです』
明智「それで兵庫の事件の犯人の身内を疑ったというわけですか」
『えぇ
特に八鶴真央君はあの年齢にして悉く血の繋がった父と姉を殺したと自白したのに、母親を殺したとは一言も聞かなかったので気になったんです
ですが…
そもそも真央君が復讐殺人を決意した時からもう既にこの世にいなかったのですね』
明智「えぇ
犯人八鶴 真央君の仇を取ろうとする身内は悉く亡くなっているんですよ」
『……
あれ？
では八鶴 真央君の遺体は誰かに引き取られたのですか？』
明智「八鶴 真央君、八鶴 惺空さん、八鶴 康二氏の遺体を受け取ったのは杉本 メグさんですよ」
『杉本 メグさん…？
えっ！
その人 確か八鶴 千咲さんの母では！？』
明智「その通りです
貴方の母上から見たら従姉妹にあたる人物です」
『でも確か千咲さんが6歳ぐらいの時に杉本 メグさんは八鶴 康二さんと離婚したと聞いているんですが…』
明智「えぇ、その通りです
それにしても驚きましたよ
一度は婚姻関係にあった夫の遺体を引き取るだけならまだしも、面識も血の繋がりも無い2人の子どもの遺体も引き取ったのですからね」
『謎……ですね
まるで現代にオクタヴィアが蘇ったかのような行動ですよ』
明智「よくそんなこと知ってますね」
『特に古代史が好きですから』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年8月25日 16時
