見習い奇術師の事件簿【万聖節殺人事件】 (ページ49)

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四十九話ページ49

花聯「紫陽さんが外であげた悲鳴を七瀬さんが室内であげたものと勘違いした、とか？」

美雪「そ、そんなまさか！

私すぐに確認しました！

外側から旅館側に入る扉は開け閉め可能ですけど内側から扉を開けて外に出るには鍵がいるのに、紫陽さんの部屋も

外に出すための扉の鍵もかかっていたから誰も出入りしてないはずなんです！」

『…じゃあ美雪ちゃんが聞いた悲鳴の主って一体…』

金「いや、花聯さんの言う通りまだ紫陽さんが外にいるかもしれない

あの扉を朝雲さんが持った鍵で開けて外の様子を調べよう！」

『う、うん！』

私達は急いで紫陽さんの部屋近くの外に通じる扉の鍵を開けた。

『うわぁっ！』

金「な、なんだこのヤベェ風！」

美雪「あ、嵐だわ！」

金「クッソ…！

紫水さん！

何人かはまだ起きていない人を起こしに行ってください！」

紫水「は、はい！」

花聯「私が付き添います！」

ｱｲﾘｰﾝ「私も付き添うわ！」

金「よし、3人いれば大丈夫だろう」

美雪「そうね！」

春風「なら

私は金田一君達に着いて行くわ！」

金「ありがとう！」

花川「それにしても…

とんでもない嵐ですね…！」

『花川さん！』

花川「こんな嵐じゃ音はかき消されて外で悲鳴を上げたって聞こえっこない！」

『やっぱり美雪ちゃんが聞いた悲鳴と壁を叩く音は紫陽さんの部屋で発生した音なんだ！』

美雪「そんな…

じゃあ紫陽さんはどこに？」

金「ちょっと待ってくれ」

『え？』

美雪「どうしたの？」

金「何か

焦げ臭い匂いがするんだ…！」

『えっ！？』

金「南の方からだ！

急ぐぞ！」

嵐の中でも鼻に付く焦げ臭い匂い…

つまり

火事…！？

金「俺とアイリーンさんがついさっきまで調べていたキッチンで火の手が上がっているところはなかった

西の方でも火に関する緊急事態は起きていない…

そして

唯一調べていない玄関！」

『！』

なんとなく事情を察した私は東の部屋のドア達を閉めるときに使わなかった番号と文字である［玄関］と記された鍵を摘んで渡した。

私のつまみが目印となり、金田一君はすぐに玄関の鍵を開けた。

金「うわっ！」

美雪「きゃぁっ！」

玄関の鍵を開けた段階ではまだわからなかったが、もう一つの鍵のないドアを開けると、外から漂ってきた不吉な匂いの正体と、恐るべきものが見えた。