三十八話 ページ38
『紫陽さんの料理を食べる前に花笠さんに症状が出た…ということは……
銀嶺さんが料理の中に毒を盛ったと疑われた…？』
宮島「あぁ
これがまた紫陽の料理を食べた後にでも起きていたらあの男も疑われていたんだがな」
金「ま、まさか
紫陽さんは何も疑われなかったなんてことは…」
宮島「そのまさかだぜ」
金「どうして！」
宮島「あの時すでに
警察はまともに疑えなかったんだろう
疑いは全て銀嶺さんにばかり向けられた」
『権力者の娘の婚約者だから疑わないなんて…』
宮島「これは仮説だが…あの女が紫陽に栄光をもたらすために、銀嶺さんに人殺しの汚名を着せ紫陽を決勝に進ませるために…審査員用に料理を盛る皿か、材料に毒を盛ったと考えている」
美雪「う、嘘でしょ…？」
金「宮島さん、アンタの話が本当なら紅葉さんは…！」
宮島「あぁ
あの女と男は2人の人間を殺した罪で繋がる偽物の恋人ってわけさ！」
『……』
金「……」
美雪「……」
宮島「お、おいおいみんなどーしたよ？
もっと俺に聞きたいことあるんじゃないのか？
特に探偵坊やの金田一君！」
「騒がしい人ですね」
『！？
ルフェちゃん…！？』
この大広間内の最も西側にあるテーブルで食事をしていた悪魔の仮装に身を包んだルフェちゃんがいつのまにか東寄りの私達の方までやって来ていた。
だが、彼女の顔は穏やかなものではなかった。
宮島「な、ど、どうしたんだい？
え、えーっと……」
春風「春風 ルフェ
両親が出席できなくなり無駄になりそうだった招待状を受け取り、紫陽ネオさんの晩餐会に来たものですよ」
宮島「へ、へぇ〜〜
き、君みたいな食に興味なさそうな美人でも友達の頼みならこんな晩餐会に来ちゃうんだね〜
や、やっぱり紫陽みたいなイケメンが好みなのかな？
き、気をつけなよ〜？
君みたいな美人って顔だけの男に騙されやすいんだからさっ」
何言ってんだコイツ……
お前なんかが心配しなくても高山さんは最高のパートナーを見つけるって……
春風「私の心配よりも自分の心配をした方がいいですよ」
宮島「えっ？」
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年7月17日 0時
