三十三話 ページ33
紫陽「え？
あ、あぁそうだね…
ま、まぁ俺は皆さんが晩餐会を楽しんでいただけるよう、困ったことが起きた時にすぐ対応できる完璧料理人でなければならないからね。
どこか時間が空いた時にでも食べるよ」
金「え？」
ん？
やはり紫陽さんは何かがおかしいしよそよそしいな…
絶対何か隠していそう…
というか私達が困った時に対応してくれるのって紫水さんに割り振られた役割のはず…
『あの紫陽さ…』
紫陽「さ、俺はデゼールを用意してくるよ
とても面白いものだから期待しててくれたまえ」
私の追求から逃れるように、彼は一口も口をつけていないクロッシュ付きの皿を持ちながら東のキッチンがある方へと行ってしまった。
『紫陽さん…
やっぱりどこか変な人だよね…』
金「ああ
それに彼だけじゃない
途中退出した紅葉さんもバラのサラダしか食べてねぇのに全然顔出しにこねぇし」
美雪「でも紫陽さんなら今日出した料理みんな紅葉さんのところに届けに行くんじゃない？」
金「まぁ〜あんな偏屈女でも紫陽さんが届けたなら食うといえば食うかもな」
『それにしてもなんであんな前菜段階で彼女にとって嫌いなものが次々と出ているなんて意味不明な発言したんだろう…』
金「そういえばそんなこと他ならぬ婚約者の紫陽さんに向かって言ってたよな
あれは一体…」
宮島「あいつら2人が正当な婚約関係を結んでいるなんて大間違いだぜ」
『！
み、宮島さん…！』
美雪「宮島？」
時間が経ったので忘れかけていたが、この人への警戒心は解いてはならないと脳が警鐘を鳴らしていた。
彼はお米をよそうために金田一君達のテーブル付近まで来たらしい。
宮島「おいおいそんなビビんなよ妖精ちゃん
俺はあの2人の黒い噂の一部を教えてやるだけだよ」
金「黒い噂？」
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年7月17日 0時
