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8話 ページ8
『…だけど
そんな下劣な大人達とは違って
三浦さん達はいくつもの苦労を重ねながらも笑顔を絶やさないすてきな人達だった。
私はあの人達を助けたことはなかったのに、私の両親が彼らを助けたからという理由で、その娘である私を助けてくれた…!』
「ほう…
鬼と呼ばれた貴方にも人を讃える心はありますか」
『当たり前よ。
だけどね
鬼が讃えるほどの聖人ほど、理不尽な仕打ちを課す神様のもとへ先立ってしまうのよ』
「あなた…
神を信じる人でしたか」
『幼い頃は信じていたけど、戦争が激化してからは一才信じられなくなった。
祈っても助けてくれない神はいらないって、家族の中でただ1人、この考えを持っていた。
だけど
私以外の血の繋がった父も母も兄達も、神様を否定するなんて絶対許さない敬虔さを持っていたから
この考えを打ち明けたのはあなたが初めてよ』
「……そうですか」
『ねぇ
私だけ話すのは不公平だわ!
貴方の名前 教えて』
「……
遠山 遙治です。」
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年7月4日 23時