秀央市殺人事件25 ページ40
「貴方行く先々で事件が起こる体質なの?
お祓い行く?」
『おっしゃる通りでございます』
「アホーアホー」
『ハットリ黙って』
家に帰って1番、珍しく夕方の時間帯に家にいるカトレアの花のように美しいママから言われた言葉がお祓いの誘いなんて誰が想像しただろうか。
そして可愛がっている鳩ことハットリにまで煽られて気分はものすごく悪い。
「これで3回どころか6回よ。」
そう、3度目の正直なんて言葉があるが、もうすでに私は3度の倍の回数5事件に遭遇している。
1度目は私自身が誘拐されそうになった小学1年生時の事件
2度目はローズグランドホテルの大火災
3度目は極問塾の合宿前に起きた塾生殺害事件
4度目は勉強合宿中に起きた連続殺人事件
5度目は軽井沢で起きた連続殺人事件
そして6度目が本日解決してきた殺人事件である。
『私は呪われていない』
「信憑性がない」
『酷い』プルルルル
自分の携帯電話が鳴ったのはあと少しでママに完全に言い負かされそうな時だった。
「あら?貴方の電話よ」
『え?
あ、あの人からだ』
「あの人?」
『うん、ちょっと部屋で話してくるから』
「え、あ、うん」
ハットを左腕に乗せて階段を登り、一階のママが聞こえないであろう自分の部屋に入り、電話を取る。
『夕莉さん!』
「Aちゃん、今日はお見事だったよ。
君の言う通り千鳥茜のスカートのポケットから見つかった時計には彼女の指紋しかついてなかった」
『そうでしたか…』
「そして君の言う通りに彼女の服を調べたところ、被害者の血液反応があってね、
彼女は君に模した服装のまま殺人を犯したようだよ。」
『大胆なことをするなぁ…
捨てちゃえばよかったのに…』
「それが彼女、重要な証拠なのに捨てる意思はなかったみたいなんだ。」
『え?』
「あの服は去年、君と一緒に選んだものだから君に暴かれるまではそのまま大切に持っておきたかったと…」
『なっ!?
あの服にそんな思い出が……!
そんな…どうして忘れてたのかしら……』
「あの時の君のように、千鳥茜君は君のことを愛していたんだよ!
彼女は君のことを憎んでなんかいないよ」
『っ…!茜…
茜……!』
「だから…
彼女が罪を償ったら、また友達として彼女を支えてあげたらいいよ」
『もちろん…!』
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年6月24日 12時