秀央市殺人事件23 ページ38
茜「入学式で代表挨拶をやらなかったことを知った父は大激怒。
ずっと1位だったお前だからこそ価値があるのに！とか腑抜けって何度も罵られたわ」
環「なんだそれ…酷すぎる！」
雅「成績だけが貴方の価値じゃありませんわ！」
茜「ありがとう。
2人は私のお母さんより優しいね」
『…さっきも言ってたけど、
1番苦しかったときに助けてくれなかったってどういうこと？』
茜「そこにいる母は…
父に乗じてずっと私を折檻してきた最低女なのよ！」
「なんですって！？
お前、この鬼女！
孫にまで手を出すか！」
『えっ！お婆さん！？』
なんとあの恐ろしく性格が悪いと思われていた茜のお婆さんは孫である茜のことを愛していたようなのだ。
茜「ずっと2人とも許せなかったの！
どっちも死んでしまえばいいって毎晩思っていたわ！
死ぬのはどっちでもよかった！
でもお父さんを殺さなかったら物理的な苦しみが残ると思ったの。
だからお母さんに罪が被さる形でお父さんを殺したのよ！
あんな人間の命いらない、消されるべきだったのよ！」
『茜！』
茜「な、何よ！」
『茜、貴方間違っているわ！』
茜「何よ！まだお説教したりないって言うの！？」
『説教…ね。
そう捉えることしかできないならもうそれでいいわ』
茜「は？」
『貴方は昨日間近で見たでしょ？
貴方のお父さんが亡くなってお婆さんが悲しんでいる姿を…
貴方は救急車で運ばれていく貴方自身が命を奪った物言わぬお父さんを見て、命は取り返しが効かないと学んだはず。
それなのに何もわかってないの！？
誰もが誰かに愛されて生きている！
その一生懸命生き、愛される命を奪うなんて許されないとわかったはず！』
茜「う、うるさい…！うるさい！
私を狂わせたアンタが私を説教するな！
私のことなんか放っておいてよ……」
『……放っておけないのよ』
茜「は？」
『親友が犯した罪を告白しないまま生きるなんてこと…
放っておけるわけがない。
お願い！罪を償って！
罪を抱えたまま生きるなんて悲しいだけよ…
そして罪を償ったらまたみんなで遊ぼう？
優しい茜なら罪を償って帰ってくるって信じてるから…』
茜「A……
なんで、なんでアンタは…
私なんか信じるのよ………
この、
親を殺すという…
最低な罪を犯した私を…！」
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年6月24日 12時
