見習い奇術師の事件簿【黒魔術殺人事件】2 (ページ35)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:2,813 hit

秀央市殺人事件20 ページ35

『まずこの50m走のタイム問題に入る前に…

人の歩く速度は分速何mと言われてるか知っているかしら？』

雅「えーと確か80mでしたよね？」

『その通り

その速さで25分間歩くとどうなる？』

環「80×25で2000

2キロメートルだ！」

『そう。

そして50mから何倍すると2キロメートルになるかしら？』

雅「えーと、

40倍！40倍ですわ！」

『そして7秒を40倍にすると…？』

環「単純計算で280秒

これを分単位に変えると4分66…

あっ！」

『そうその通り！

50m走を7秒台で走れて現役の陸上部員の茜なら難なくその速さで移動できる！』

茜「で、デタラメ言わないで！

いくら陸上部員の私でも2キロの距離をそんな全速力で走れるなんて決めつけないでよ！」

『そっか…まだ言うのか

じゃあもっと凄い証拠がある、って話をしてあげる』

茜「え？

そんなものどこにも…」

『いいやここにしかないのよ！

だって貴方の自宅は今貴方ですら入れなくて、昨日着ていた服も手袋も、あの家には捨てれず、この家にあるはずだから』

茜「っ！」

『そうね…

服よりももっととんでもない証拠が昨日貴方の履いていたスカートのポケットの中に入っているはずよ』

茜「ポケット……？」

「お婆さん、

そこのハンガーにかけられている茜の服一式、

私に授けてくれませんか？』

「ん？

ああいいよ

…って何か入っておるのぉ」

茜「なっ！私の服になにするのよ！」

『必ずあるはずなのよ。返り血以外の証拠が。

私達の現場到着時にはあったのに、警察の捜査が入る前に無くなったものがね！』

慧蓮「…もしかして！」

環「え、茜のお母さんは知ってるのですか？」