見習い奇術師の事件簿【黒魔術殺人事件】2 (ページ32)

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秀央市殺人事件17 ページ32

茜「ま、待ってよA！

私が走っただけでお父さんを殺せたって言うの？」

『ねぇ茜…

私達はもう気付いたの。

私達は貴方の優しさ、信号の多い車道に惑わされたせいで、何の障害もない通路があることを気づけなかったの』

茜「なんの障害もない通路なんてあるわけ…」

『そもそも茜、

貴方は私達の前に着いた時刻と貴方のお母さんの目の前で自宅を出た時刻でとあるズレを生じさせているのよ！』

茜「ズレですって…？」

『慧蓮さん

茜が家を出た時間、覚えていましたよね』

慧蓮「え、えぇもちろん。」

茜「お母さん！？」

慧蓮「茜が家を出たのは私の時計修理が終わった12時20分少し前頃でした。」

『12時20分、この時刻をみんな覚えておいて

そして茜

貴方昨日何時に私達と合流できたか覚えてる？』

茜「え、

じ、12時40分よ！

そ、それがどうかしたの？」

雅「あれ？

あなた25分かかると言っていませんでしたか？

あと5分足りてませんわよ」

茜「なっ！？

ご、5分くらい早く着くことだってあるわよ！」

『いいや、早く着くなんてものじゃなかったのよ』

茜「な、なんですって？」

『茜、貴方は…

事件現場から待ち合わせ場所まで5分でたどり着くことができた！』

慧蓮「えっ！？」

「な、なんて速さじゃ…！」

環「そ、そうか…

だから今日来るときあんなに走ったら10分もかからなかったのか…」

茜「な！？

真っ直ぐと言ったって直線が続く車道は信号だらけでそれの待ち時間もあるからどんなに走っても5分ごときじゃつけないわ！

貴方達が使ったのは歩道橋よ！」

『今ので完全に墓穴を掘ったわね』

茜「えっ！？」

『歩道橋を使ったことのない貴方が、

どうして歩道橋を使えば5分もかからないなんて言えるの！？』

茜「っ！」