見習い奇術師の事件簿【黒魔術殺人事件】2 (ページ27)

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秀央市殺人事件12 ページ27

さて、次の検証は今、天津駅近くのこの場所にいる間に全て終わらせなければならない。

そのために必要なのはストップウォッチ

何故だか知らないが今日荷物を入れてきた鞄の中に入っていた。

深呼吸して、私は精神的にも、身体的にも準備を整える。

『…よーい

ドンッ！』

＿＿

＿＿＿

『ハァ…ハァ…ハァ……』

道ゆく人にはかなり怪しい目で見られていたような気がするが仕方のないことだ。

何せ私は肩で息をしながらとある場所へと辿り着いたのだから。

ストップウォッチで測った結果を見る。

するとそこには信じられない結果が出ていた。

本来あの自宅周辺から、この目的地までは25分かかると認識していたものが、「ある場所」を通り「全速力で走る」だけで、25分の5分の1ほどの時間でたどり着いてしまったのだから。

そして今度は「全速力で走る」の反対の方法で事件現場まで行く。

もちろんストップウォッチで時間を測ることを忘れずに

＿＿

＿＿＿

『…なるほど』

時間は25分

あの時と変わらない。

というより長いと感じていたあの入り組んだ住宅街を通る道は「この場所」を勘付かせないためのものだった。

時間的に無理だと私達に証言させるための。

こうなれば私が絶対に手に入れるべきものは一つ。

あそこは5時半以降は電子ロックがかかる。

今あの場所の学生証を持っていない私には致命的だ。

だから私は駅までさっき検証に使った場所を走り抜ける。