秀央市殺人事件7 ページ22
「一応こちらとしても仕事なんでね。
情報は多いに越したことはないんだ。」
『もちろんです。
答えられることならなんでもお答えしますわ』
「…ふむ。
被害者の千鳥 正雪の死体を発見した妻の千鳥 慧蓮さんが警察署に電話した13時、君はどこにいたのかね？」
『13時でしたらまだ茜に引き連れられて住宅街の中を彷徨っていました。
13時と言えば「あと5分で着く」と丁度茜が言った頃ですね。
そして慧蓮さんが警察署に電話を入れた数分後でしょうね。
茜の携帯電話に着信が入りましたわ』
「ふむ、千鳥慧蓮が警察署に電話を入れたのが先でその後に娘の茜に電話を入れた…か。
これは後で両者共の携帯電話の着信履歴を見ることで事実かどうかがわかるな。」
「権藤刑事！
千鳥 正雪の死亡推定時刻が判明しました！
出血、遺体の状況から見て12時40分から45分頃とのことです！」
「そうか！ご苦労だった！」
『12時40分頃…ですか。』
「そうだ。
その時君は何をしていた？」
『私はその時刻の15分前に不動山駅から集合場所の天津駅に友人の紫玉 環と共にいましたわ。』
「それをその友人以外が証明できるか？」
『その時間帯の私の所在を証明できるのは環と防犯カメラぐらいしかありませんわ。
まぁその10分後にもう1人の友人由貴 雅が現れてその後5分間はこの3人でいました。
そして12時40分に千鳥 茜が現れそこから25分間歩いて彼女の家まで向かっています。」
「ふむ…死亡推定時刻とされる12時40分から前後10分間の君のアリバイは完璧だ。
そして天津駅から現場まで歩いて25分とは…
ということは君似の女を見たというあの婆さんはただの見間違いをしていたというわけか。」
『でしょうね。』
「ご協力感謝する。
時間をいただいてしまって申し訳ない。」
『いえ、刑事さん達の捜査が真相解明に繋がることを願う一市民として当然のことです。』
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年6月24日 12時
