No51 ページ14
剣持「珍しいな。
七瀬君が金田一の見舞いに来たのは今日が初めてとは…」
私は今美雪ちゃんと剣持さんと共に金田一君が入院している一岡総合病院まで来ている。
授業終わりに来たところ美雪ちゃんと合流したので私も同行することにした。
私はオレンジ色のナスタチウムとガーベラで構成した花束を抱えている。
本来明るい性格の金田一君にはよく合うと思い、この花達を選択した。
…友達を自分の手で追いつめた金田一君の傷が癒えているかは定かではない。
美雪「やっほー！
はじめちゃーん！来たよー！！」
そんな金田一君を励ますために、元気いっぱいの挨拶をした美雪ちゃんが見たのは…
金「ねー！ねー！看護師さーん
ケータイ番号教えてよー！」
「だめですよー！院内でケータイは！！」
『……すっかり元気そうですね』
美雪「はじめちゃん…」
金「えっ」
パーン
病院内に甲高いビンタ音が響いた。
そして金田一君の左頬に紅葉型の痕ができた。
金「だーって〜〜！
誰も見舞いに来ないから退屈でぇ〜〜！」
美雪「知らない！」
『メールで1週間くらいそっとしておいてみたいなことを送ってきたのは君自身だよ…』
金「あ、そうだった…」
剣持「まっ 元気そうでなりよりだな金田一！
傷の方はどうだ？」
金「出血のわりには傷が浅かったし経過は順調だよ」
『よかった…』
金「研太郎の様子はどう？オッサン」
剣持「ああ！そっちも極めて順調だ。
憑き物が落ちたように取り調べに素直に応じてるよ」
金「……」
美雪「……」
『……』
剣持「それに火祀星子の方もついに10年前のことをすべて白状したぞ」
あの事件の加害者の中で唯一生き残った彼女は何を語ったのだろうか
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作者名：ロンヌ | 作成日時：2022年6月24日 12時
