8話 ページ9
『な、なんで…
彼、ついさっきまで生きていたのに…!』
村上「だ、大丈夫?朝雲さん」
『っ…ご、ごめん。いきなり取り乱すなんて見苦しいとこ見せてしまったわ』
村上「そ、そんなこと気にしてないよ。
目の前で人が死んでるのを見たら誰でもびっくりするって!」
『そ、そうだよね…』
そうだ。落ち着け私。
みんな茂呂井君の死体を見てしまって驚いているはずなのに取り乱すことなく冷静にしている。
「つまり…これは殺人事件ということです」
だが冷静にしていた彼らも刑事さんの一言で顔色を変える。
そして殺人事件だと断定した刑事さんにより、私たちは引き続き事情聴取を受けることになった。
鯨木「あ゛っ!!」
氏家先生が事情聴取を受けている最中、ヤンキー君こと、鯨木君が何かを思い出したようだった。
それを刑事さんは聞き逃さず鯨木君に質問する。
鯨木「さっき俺…久しぶりに塾で会ったんで茂呂井のヤツを遊びに誘おうとしたら
解答をもらいにいかなきゃとか言って教室から出てきた途端そそくさと2階に行っちまったんだ。」
『嘘つくな。
アンタがやってたのはカツアゲだろ。』
美雪「Aちゃん!?」
鯨木「て、てめぇ誰だこのチビ!
ふざけたこと言ってんじゃねぇ!」
『否定したら余計認めてるようにしか見えないよ?』
「き、君よさないか!」
『もちろんこれ以上は彼に何も言いません。
私は今日彼を初めて見ました。
ですがそんな私でも彼が亡くなった茂呂井君を遊びに誘っているようには見えなかったので意見しました。』
危なかった。
溝岸刑事さんが近づいてくる鯨木君と私の間に入ってくれなかったら、殴られてたかもしれない。
いくら口が達者になっても体の強さは全然敵わないから一発でも殴られたら一瞬で膝をついていたはずだ。
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年6月15日 15時