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36話 ページ37

村上「「太陽荘」と「月光荘」を行き来したらどんなに必死こいて走ったとしても片道1時間近くはかかるし、車やバイクじゃ山の反対側をぐるっと回るからもっと時間がかかるんだ!」



なるほど…

独特なバイクらしいエンジン音をこの合宿中に聞くことはなかったし、車の線も無し…か。


村上「「月光荘」も「太陽荘」も分刻みの超過密スケジュールだからそんな中で1時間以上も姿を消して殺人ができるヤツかんていないんじゃないの?」



『1時間以上も姿を見せなかった人なんて…』


厳島「いるわ…

ひとりだけ…!」

『えっ?』

金「え?」


厳島「合宿前のテストで赤点ギリギリだった霧沢透君!」


「えっ…!?」

「霧沢君が…!?」


それ先生としてみんなの前でバラしていいんですかねぇ…



勝手に本人の知らないところで知ってしまったのはなんだか申し訳ない。


厳島「彼は授業には出ずに ひとりだけずっと2階の自習室で特別カリキュラムを受けることになっていたはずよ。」


秋子「で…でも厳島先生!

自習室って外から鍵をかけられちゃうんでしょ?


あそこだけは室内にトイレもあって それこそ監獄みたいだって聞いてますけど…」



『怖っ!まるで懲罰房ね。』

清子「だからみんなあそこに行かないように頑張るっていうのもあるのよ。」


『なるほど…

恐怖の力でやる気促進…か。


さすが名門スパルタ塾』



中屋敷「もし 霧沢のヤツが最初からこんな大がかりな殺人を計画していたとしたら

ピッキングの練習をしておいてわざとテストで低い点を取り…自習室送りにされるフリをして殺人のあめの時間を手にしようとしたのかもしれないぜ?」


『まさか、あの霧沢君が…』


金「じゃあ厳島先生!

すぐに「月光荘」ろ氏家先生に電話をかけて霧沢の様子を確かめてもらえませんか」

厳島「わかったわ」

プルルルル


だが、太陽荘にいる厳島先生から、電話をする必要はなくなった。


こちらよりも早く氏家先生が電話をかけてきたのだ。


そして厳島先生が氏家先生から聞いたのは衝撃的な内容だった。

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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年6月15日 15時

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