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3話 ページ4
「……まさかあの団長の娘と私が巡り合うとは」
教師も生徒もいなくなった教室で顔をゴムマスクで覆った赤尾一葉はほくそ笑んだ。
彼は見ていた。
異国人の血を引くとすぐにわかる容姿が特徴的な少女が見事なマジックを披露するのを。
そのマジックは父親から伝授されたものだと語るところを。
彼は思い出した。
彼女は講演が終わった後、楽屋まで来て父親に会いに来ていた子どもだったことを。
その父親を殺した。
彼女の父親は赤尾一葉に殺された。
彼女、朝雲Aの父親は赤尾一葉の母、近宮玲子の弟子であった。
だが彼と彼の仲間は近宮玲子しか知らないトリックを盗んだ。
その報いを赤尾は与えた。
父親を惨殺し身体を解体した猟奇的殺人犯と出会っていたと知ると彼女がどんな顔をするのか…
父親と同じように、彼女の細い体を捻ればどんな反応を示すのか…
そう考えただけで口角が吊り上がってしまうほど愉快であった。
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設定タグ:金田一少年の事件簿
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年6月15日 15時