見習い奇術師の事件簿【獄門塾殺人事件】 (ページ19)

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18話ページ19

金「山神団長……！」

金田一一は思い出した。

四月が終わる頃に起こった列車内での連続殺人を。

幻王魔術団の団員達が次々と殺されていく様を。

そこで一番最初に殺された、山神の惨たらしい死に様を。

「山神団長ってジェントル山神って呼ばれてた人？」

『そうそう！その人なの絵波さん！

やっぱりそっちの呼び名の方が有名だったんだね

パパ達のマジック覚えてる人いるのかな？』

絵波「確か私が幻想魔術団のこと知ったのはテレビだったかな～」

一が思い出している間にも幻想魔術団のことを覚えている塾生と話をしていた朝雲A

この異国にいそうな姫か、妖精ともとれる見た目をした小さく可愛らしい彼女が、あの殺された団長の娘だとはにわかに信じがたかった。

そしてこの少女が言うマジックが「盗まれたもの」であることを彼女自身が知っているのかも気になった。

もし、彼女が山神の正統な娘で、彼らの盗んだマジックを継承しているとすれば…

最悪な事態を想定しておかないといけない。

金「あれ？

でも山神さんって夕海さんと結婚してたような…」

『私の母と父は5年前に離婚してますから

夕海さんと再婚してても全然驚きませんでしたよ

寧ろ…夕海さんといういい人と結婚していたのは安心でした。』

金「えっ！？あ、そうだったんだ…」

彼女は両親事情に関してはかなり淡白な反応だった。

そしてこの発言より前に、山神以外のことを感謝していたのはマーメイド夕海のことも入っているのだろうか。

氏家「さて…それでは塾生のみなさん静粛に！」

講師氏家の牽制により、彼女に質問する機会は失われた。