【歌い手】近くて遠いキミ【となりの坂田。】

キミのバイバイ ページ44

「A、おやすみ!!」
浦田さんを筆頭に志麻さんとセンラさんが手を振りながら病室へと出ていく。



今、病室にいるのは私と明くんだけである。

3人が出ていったのを見ていた彼を横目でチラッと見る。あぁ、さっきまでステージに立っていた私の推しだ...なんて。

彼は私の視線に気づいたようでこちらを見て不思議そうな顔をした。


「...面会時間終わってまうし僕も帰るな？

...また、明日来る!!」



彼の言葉に少し寂しくなったが、その後のまた明日というのを聞いて、それもまた恥ずかしくなった私がいた。




私は彼に手を振った。彼もそれを振り返しながら病室を出ていった。





ｰｰ
明くんが出ていって、病室には静けさが広がった。
なんだか色々と会ったなぁなんて、逆に多くのことがありすごて私は冷静さを取り戻していた。



そんなとき静かな部屋にピロンっという規則正しい音が鳴り響いた。


お姉ちゃんA。また倒れたって聞いたよ...明日お見舞いに行くね!!



そこには心優しい姉からのLINE。

ほっこりという気持ちになったのもつかの間。





そのあとの彼女の一言で私は翌日までどん底の気持ちにいた。









お姉ちゃん...お母さんがね、Aに会いたいって...明日お父さんと一緒にお母さん連れてくるね...。

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