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歌姫 ページ9
明後日は結婚式。
すなわち今頃まふくんたちは最終確認をして明日に備えているだろう。
「明日、か。やっと、Aを連れ出せるんやな。」
出窓に腰かけて月をバックに妖しく笑ってみせるのはくろちゃん。
私の部屋は二階だから月が綺麗に見える。
「ほんと。待ちくたびれちゃった。そうやってしてたら、ほんとに黒猫が化けてるみたい。」
「Aも月の光でなんか神秘的やな。」
「あはは。かもね〜w」
そんなことを話しながら時間を潰す。
朝の４時にはまふくんたちがこっちに来る予定だから寝る気はない。
そのために今日は昼寝もした。
「なあ、」
「どーしたの？」
「ほんとに、わたしたちに拐われて、後悔しない？」
急に真剣になるから、何て言うのかと思えば、そんなことか。
「後悔すらわけない。むしろ早く連れてってよw」
「…そーやな。あと、少し、まっとってな。わたしたちの歌姫さん？」
「うん。そーするよ。」
現在時刻、午前３時半
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作者名：わらび | 作成日時：2020年9月22日 18時
