misbehave Ⅱ (ページ18)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:43,185 hit

▽ ページ18

～岸 side～
次の日、Aからデートに誘われた。

本当に凄い嬉しかった。

気まずくて話せなかった俺にAが初めてデートに誘ってくれた。

こんな事初めてでテンションも上がって美玲の所に行かなかった。

Aが誘ってくれた日以降もデートの日もそれから暫くしてもたまにしか顔を出さなくなった。

.

｢優太。私、明日退院。｣

｢お！良かったな！｣

｢…。｣

｢なんだよ笑全然嬉しそうじゃねぇーじゃん笑｣

｢…、優太が来てくれたのは罪悪感でしょ？｣

美玲が真っ直ぐ俺を見ている。
何も言葉が返せないでいる俺に美玲は言葉を続ける。

｢最近たまにしか来ないよね。Aとうまくいってるんでしょ？優太、ずっと私に気を遣ってたのも知ってるし、どうせ自分のせいで死のうとした。とでも思ってるんでしょ？｣

｢ち、違う…。｣

｢嘘つかなくていいって。その方がきつい。｣

｢…。｣

｢罪悪感感じるならさ…、Aと別れてよ。幸せそうに笑ってるの見てると腹が立つの。｣

美玲は俯いていた顔をゆっくりと上げながら俺に言い放った。

表情はすごく落ち着いていて、何も読み取れない。

あれ、美玲ってこんなだったっけ？
もっと、明るくて良いやつだって思ってたけど…

｢ねぇ、優太。｣

美玲が暗闇の中でもがき苦しんでいる様に見えて、それを助けてあげられるのは俺しか居ない…。
そう思ったら、Aとの"別れ"を選ぶしかなかった。

あの時のAの表情を今でも覚えている。

泣くでもなく、笑うでもなく、ただ、俺の言葉を飲み込んで離れていった。

苦しそうに無理しているのに、あまりにも素っ気ない態度で何かの間違いなんじゃないか。Aはほんとは俺と別れたかったんじゃないか…。

馬鹿だなー。俺。

もっと、Aといたかったな。

.

｢ほんとに別れたんだ。｣

Aと別れて少したった頃美玲に伝えた。

｢うん。これからは美玲と一緒に居る。何かあったら言えよ？助けてやるから、絶対。｣

罪滅ぼしだ。