misbehave Ⅱ (ページ11)

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～岸 side～

無我夢中だった。

シャワーを浴びて少しだけ冷静になった頭で俺がしてしまった事に愕然とした。

Aが言うように俺らは幸せにはなれない。
色んな事を我慢して隠してその罪を重ねて罪悪感に耐えなければならない。

また、Aを傷つけてしまう事になる…、

あの時もAを簡単に手放して、傷つけてしまった。
自分が馬鹿で、鈍感で、弱いせいで…。

でも、やっぱり俺はAと一緒に居たい。
堂々とただ笑って横を並んで歩く。そんな幸せをAと共有したい。

なのに、それが許されない関係。

神様の悪戯とかじゃない。
俺のエゴとワガママ。
そのせいで彼女の幸せを奪ってしまった。

.

俺の左手の薬指に光る銀色の枷。

こんなちっぽけなモノ要らないのにな。

手放せない俺はやっぱりまだ子供で弱いのかもしれない。

｢A…。ごめんな…。｣

いつの間にかポツリと出た言葉はシャワーの水と共に流れて落ちていった。