misbehave Ⅱ

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何とかフラフラと歩く岸を支えて部屋に入る
取り敢えずソファーに寝かせてスポーツドリンクを飲ませ冷えピタをデコにぺたっと貼ると少しだけピクッと反応したがすっと表情を和らげた。

それを確認して風邪薬を探す

｢あれ？この前に使い切っちゃったかな…。｣

ガサガサと棚を漁って見つけた

｢岸、ゼリー食べれる？｣

私は冷蔵庫の中にあったゼリーとスプーンと薬を持って岸の側に座る

｢…A、ごめん…。｣

｢いいよ。食べれそうなら食べて。薬飲めない｣

｢うん…。｣

ノソノソと起き上がった岸にゼリーとスプーンを手渡した。

黙々と食べる岸

今日、風磨帰ってくるんだっけ？
勢いで岸を家に上げてしまったけど、今更ながらに美玲の事とか頭によぎって居た堪れない…。

そう言えば、美玲の連絡先知らない…。
どうしよ…。

｢ねぇ、美玲に連絡して迎えに来てもら｢むり…。｣
｢は？なんでよ｡美玲心配するでしょ？｣｢しないよ。｣｢そんなわけ…ｯ！！ちょっ、、ちょっと！！なに！？｣

急に腕を引っ張られ気付いたら岸の腕の中に収まっていて押し返すがびくともしない。

｢ねぇ。俺さ…。ほんとは…Aと別れたくなかった。ずっと好き。今もずっと。｣

岸の熱のせいか熱い体温と息遣いに少し前に感じていたドキドキとした感覚が蘇ってきて涙が零れそうになる。

｢A。俺…｢や、やめて…もう…何も…言わないで。離して…。｣

｢A。俺、マジだから。｣

より一層グッと力を込められる両腕にどんどん岸との距離が狭くなる。

逃げれない。そう確信した。

目が合う。

お互いにゆっくりと瞬きすら忘れるくらい引き込まれる。

逃げなきゃ。逃げないと、間違いを起こしちゃ駄目なんだ。

私には樹が居てくれる。何なら風磨も居る。
岸には美玲が居て美玲とちゃんと結ばれるべくして結ばれているんでしょ？
だから、だめだよ。

.

絡まる視線が熱くなる。

私は何を戸惑っているんだろう。もう、何もかも忘れて馬鹿になっていいんじゃないかな。

そう思った時にはもう、岸を拒む事なんて出来なくて受け入れてしまったんだ。