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伯拾玖頁─双ツノ黒ト 7─ ページ15

騒がしいながらも目障りでは無い懐かしい光景。

もう二度と見られないだろうと思っていたそれに、私は少しばかり緊張が解れたような気がした。


階段を下り、少し歩く。

すると扉の無い煉瓦壁の小さな部屋が目に入った。

部屋の中にいた人物の状態を認識して私は顔を歪める。




『...居ましたね。早く救出して帰りましょう』




そこには無理矢理生長させられたような太さの木の枝に拘束された夢野君の姿があった。

彼は力無く俯いており、気を失っているようだった。

拘束している植物が先程見た葡萄のそれとよく似ているので、夢野君をこうしたのは十中八九あのハンチング帽の男性だろう。


先日ヨコハマで起こった広範囲の狂乱はこの男の異能が関係しているのかな。

とすれば、植物を生長させられる上に感覚を共有することも出来る能力。

使い方によっては今回以上の事も引き起こせる。

全くもって敵の参謀さんは厄介な異能を組ませたものだ。




「だね。取り敢えず木の根を切り落とさないと。中也、短刀(ナイフ)貸して」

「あ?あぁ...ん?確か此処に......」




太宰さんの要求に中也さんはいつも短刀を入れている懐を探る。

しかし中々見つからないようで不思議そうに首を傾げていた。


そう云えば、さっき太宰さんがその短刀を持っていたような?

そんな私のちょっとした疑問は直ぐに彼本人の口から答えが語られた。




「あ、さっき念の為()っておいたんだった」

「手前...」




絶対に判ってて聞いたな、という顔で睨む中也さん。

昔、嫌というほど二人の間で行われたやり取りにそれ以上は何も云わなかった。

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煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» 了解です、合っていて良かったです(*^^*)承認しておきますね。最新パートまで読んでいただきありがとうございます!過去編共々頑張っていきます! (2019年6月15日 17時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 最新パートまで読ませていただきました!これからの有島ちゃんが楽しみです! (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 狼楼に直しときました…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» あ!あってます!直すの忘れてた…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» すみません、今「炎化狼」という名前の方の申請をもらっていたのですが、狼楼さんでしょうか?名前に狼とついていたので質問させていただきました。 (2019年6月15日 14時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作成日時:2018年3月6日 7時

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