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伯拾陸頁─双ツノ黒ト 4─ ページ12

「全く...ここ数年で最低の一日だよ」

「何で俺がこんな奴と...」

『二人共そろそろ諦めて仲良くしましょうねー』




明らかに不機嫌な表情の二人。

それを微塵も隠そうとしない彼等に、私は笑顔で中々動かない背中を後ろから強く押す。


煉瓦造りの建物の扉を開けることにすら時間が掛かる。

何故この二人はこんなにも仲が悪いのだろうか。

昔二人の出会い話を聞いたことがあるが、私にはここまで悪化するほどでは無かったように思えなかった。




「俺の隣を歩くんじゃねえ」

「中也が私の隣に来たんじゃあないか」

「いいか?仕事じゃなきゃ一秒で手前を細切れにしてる。判ったら────」

『行かないのであれば私が先に行きますよ。こんな仕事早く終わらせたいので』




中也さんの言葉を遮り、軽々とドアノブを捻る。

二人とも全然進まないから何かあるのかと思ったのに驚くほどに何も無い。

背後から怒りの声が聞こえた気がするが特に構わず中に入る。


建物内は至ってシンプルだった。

(たま)の休日に疲れを癒すための休憩所といったような物の少なさ。

大切な人質を地上の部屋に入れておくとは考えにくい。

一見薄暗くて地下への階段のようなものは見当たらないが、よく見れば床に台所の床収納のようなものを見つけた。




『これですかね。...んーっ、結構重い』




金具に指を引っ掛け、力一杯に腕を上に引く。

しかし床であり蓋であるそれは少しばかり浮くだけで中々持ち上がらない。


あぁ、これ指真っ赤になってるんだろうな...なんて緊張感の無い考えが頭を過ぎる。




「はァ...退けよ、俺が開けてやる。手前はそういう所も昔から変わってねぇのかよ」




溜息と共に呆れたような中也さんの声。

後半は少し莫迦にされたような気もしたけど。

それでも私はこのまま粘っていても時間の無駄だと判断し、痛む指を擦りながら大人しく横に退く。

彼は先程まで私が一人格闘していた床の近くにしゃがむと、綿でも持ち上げるかのようにすんなりと開けてみせた。


中也さんって体格のわりにかなりの馬鹿力だよね。

......低身長のくせに。

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煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» 了解です、合っていて良かったです(*^^*)承認しておきますね。最新パートまで読んでいただきありがとうございます!過去編共々頑張っていきます! (2019年6月15日 17時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 最新パートまで読ませていただきました!これからの有島ちゃんが楽しみです! (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 狼楼に直しときました…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» あ!あってます!直すの忘れてた…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» すみません、今「炎化狼」という名前の方の申請をもらっていたのですが、狼楼さんでしょうか?名前に狼とついていたので質問させていただきました。 (2019年6月15日 14時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煉華 | 作成日時:2018年3月6日 7時

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