.full moon night.

night 34 ページ35

名前side


無事に3人とも帰って来れて良かった…


部屋に持ってきた物を片付けながらそう思う


そういえば、ピクニック楽しみだな！


なぜ私がこんなにわくわくしているのかというと


今までピクニックというものをしたこと無かったから！


そして、ここのお屋敷のお庭ってめっちゃ綺麗なの


窓からだけでも花壇に植えられた千日紅の美しい紫や涼しげなアメリカンブルーが見える


あっ！たぶん向こうのアーチは薔薇の葉だ！


このお庭は夜でもきっと綺麗なはず…！楽しみ！


なんて思っていると、急に眠気がきた


名前｢ふわぁ〜、今日はいつもより動いたし疲れたのかも、寝よっと｣


ふかふかの布団に入ると、すぐに夢の中へ引きずり込まれた


翌日起きて、また一日がはじまる


今日は何も起こらず、あっという間に夜になった


部屋で家から持ってきたお気に入りの本を読んでいると


バンッと勢いよく誰かが入ってきた


名前｢わっ…！｣


と本から目を上げると、颯太くんがいる


颯太｢来たよ〜！あっお邪魔しま〜す！｣


名前｢びっくりしたじゃん！｣


と言うと、ごめんごめんと笑う颯太くん


ほんとに思ってんの!?笑


颯太｢な〜に読んでんの？｣


と颯太くんが私の隣に腰掛ける


名前｢家から持ってきた本！｣


颯太｢ふ〜ん、どんな話？｣


この本は、お互い敵だと知らなかった男女が出会い恋をした。でも引き裂かれてしまう。どうにかまた出会った2人は、来世では結ばれることを祈り、深い湖に飛び込むという悲しい話だ

と颯太くんに説明すると、


颯太｢へ〜なんだか俺と名前みたいだね！｣


名前｢へ！？｣


颯太｢だって俺たち出会った時、吸血鬼と特別な血を持った人間って知らなかったし！｣


あ、名前は記憶無いかとへらへら笑う颯太くん


やっぱり変わってる…


颯太｢まぁ、俺は名前を死なせたりしないけどね｣


口はいつものように笑いながら、でも目はしっかり私を見つめてる


名前｢ふふ、ありがとう。私も、颯太くんもみんなも死なせないよ｣


と言うと、そうだけどそうじゃないんだよ〜と大きな声で言う颯太くん


一通り本の話をした後に颯太くんが言う


颯太｢じゃあ、そろそろ飲んでいい？｣


名前｢あ、うん！どうすればいい？｣


颯太｢うーん、とりあえずベッドまで運搬しま〜す｣


と颯太くんにいきなり持ち上げられる


どうなっちゃうの！？！？

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