.full moon night.

night 13 ページ14

拓実side



取引をすると決めた名前ちゃんの瞳を見て

強い人だなって思った

顔に光る涙を隣に座っているうっちーがぐしぐしと

自分の袖で拭いている

青木｢あ〜、赤くなっちゃうから｣

とピンク色のハンカチをうっちーに渡す

さすが青木くんだ……

皇輝｢うん、わかった。これで交渉成立だね、詳しいことは明日話そっか｣

皇輝くんの顔の強ばりがやっと取れた気がする

安嶋｢他に気になることある？なんでも聞いて？｣

涙をハンカチで拭かれた名前ちゃんが

名前｢あ、失礼かもしれないんですけど、吸血鬼の特徴ってなんですか？私、全然知らなくて｣

と尋ねる

おー結構単刀直入なんだ笑

安嶋｢うーん、人間の血を際限なく飲む訳じゃないんだよね、一定量飲めば足りるし、人間の血じゃなくても動物の血なら大丈夫｣

ヴァサ｢そうそう、他の吸血鬼みたいに俺たちは、バカみたいに人間の血を欲したりしない。必要最低限しか飲まない上品な吸血鬼ってわけ｣

名前｢なるほど｣

黒田｢他には？｣

名前｢普通のご飯って食べるんですか？｣

檜山｢そこ気になる？笑俺たちは食べ物でも栄養が採れるようにできてるから、よく食べるよ笑
まぁ、1番栄養になるのは血だけどね｣

湧｢あとは、夜になればなるほど肌が白くなってくことぐらいかな〜｣

名前｢確かに｣

名前ちゃんは、うっちーの顔をみて納得したみたい

名前｢あ、そういえば、太陽の光に当たってたと思うんですけど、大丈夫なんですか？｣

織山｢灰になったりはしないけど、夜とかに比べて体が重くなって動きにくいって感じかな｣

拓実｢それくらいかな？｣

名前｢はい、ありがとうございます！｣

颯太｢ちょーっとすとーっぷ！その敬語やめよ？｣

湧｢あと、他人行儀な呼び方やめよう！？｣

2人の勢いに押され、名前ちゃんは頷いた

名前｢他の皆さんはどうすれば…｣

皆口々に賛成する

名前｢じゃあ、これから敬語無しでいくね。よろしく｣

とたどたどしく言った

なんか可愛い笑

平塚｢よろしく！｣

皇輝｢よし、じゃあ一段落着いたとこで、名前ちゃんの回復のためにもうお開きにしよう！｣

皇輝くんの一言でみんな動きだす



颯太｢俺が名前を運ぶ！｣

湧｢いーや！俺！｣

深田｢いや、俺っすね！｣

誰が運ぶか論争が起こっている

皇輝｢も〜名前ちゃんを運ぶのは、拓実で決定！さっさと解散！｣

拓実｢え！？おれ！？｣



皇輝くんの一声で俺になってしまった！

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