できることなら君の傍で。 (ページ6)

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「ほんと良かった。難関大学に合格なんて、すごいよ。」

『全部光のおかげだな。』

「ばーか。俺、何もしてないだろ」

『いや。光がいてくれたおかげで、俺も頑張れたよ。免許もとれたし』

「あ、免許とれたんだ。おめでとう」

『おう。光と海デートするんだもんな！！もう楽しみすぎてニヤけるわ』

「お前、ほんと俺のこと大好きだな」

…はっ。

何言ってんだ、俺。

いくらか調子乗った発言だろ。

「い、今のは忘れて…」

『はははっ、』

「なんだよっ、」

『お前、それ自分で言うなよ～。まあ、事実だけどさ。』

「うるせー」

『確かに俺は光のことが大好きだ。好きすぎて困るくらい、光のことが大好き。』

「ちょ…マジトーンで言うなよ」

照れるじゃんかよ、ばかやろー。

『光に一目惚れしたの、あれマジで運命だと思う。光に出会えて、良かったと思ってるよ』

「…俺もだよ」

『俺、光が迷子になったら、すぐに見つけ出せる自信あるわ』

「どんなシチュエーションだよ、それ」

『んー？ふふ、迷子になんなよってこと』

「訳わかんないこと言ってんじゃねーよ」

軽く小突くと、電話の向こうの薮は愉快そうに笑った。

『明日、伊野尾たちとのダブルデート楽しみだな。俺、車で行くわ』

「お、早速運転ですか、薮さん」

『おう。送ってってやりましょうか』

「早速死にたくないので勘弁してください」

『了解です』

薮があくびをした。

ここ数週間、入学の手続きやら免許合宿やらで、

ちゃんと寝てないんだろう。

「もう寝なよ、薮。疲れてるんだろ」

『んー。そうだな。』

「ほら、もう布団に入って」

『お前は俺の母ちゃんか』

「母ちゃんじゃないよ、恋人だろ。」

『…そうでした。』

まったく、俺がデレるのも今日だけだからな。

薮が調子乗っちゃうといけないから。

『……来週、俺の家に来てくれないか？』

「うん、いいよ。でもそんな焦んなって」

『んー…なんか、光がどっか行っちゃいそうで怖くて』

「ははっ、なんだよ。それ」

『きっと疲れてんだな、俺』

「俺はどこにも行かないよ、薮。」

『…うん。』

「ほら、寝た寝た」

『おやすみ、光』

「うん、おやすみ。」

・
・

ふう…、あっぶねえ…

バレるとこだった…

俺が今、めちゃくちゃテンション高いことが。

久しぶりの薮との会話は、

楽しくて、嬉しくて、幸せで。

あーっ、もう。

早く明日になれーーっ！