できることなら君の傍で。 (ページ5)

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「はああ…やばい、どうしよ、緊張してきた」

「大ちゃん、落ち着いて」

今日は薮といのちゃんが受験した大学の合格発表の日。

俺も大ちゃんも、今日まで薮といのちゃんとのデートを控えてたから、

これからデートできるんだと思うと、結構嬉しいんだけど…

それも大学に合格したらの話だ。

俺たちも、あの二人がどれだけ一生懸命勉強したかわかってるから、

もし落ちてたら…なんて考えると、

たまらなく辛い。

「いのちゃん…、真っ先に知らせてくれるって言ってたけど……まだ連絡こないよぉ」

「きっと混んでるんだよ。大丈夫だよ、あの二人なら」

大ちゃんは、涙目になりながら頷いた。

その時、大ちゃんの携帯に着信音が流れた。

「…いのちゃんだ！もしもし？！」

大ちゃんの携帯から、いのちゃんの声が漏れる。

相変わらずの、鼻にかかる声だなあ。

「うん、うん…、え？！ほんと？！！！」

大ちゃんが、こそっと俺に「二人共受かったって」と耳打ちをしてきた。

＿＿＿良かった。

俺もずっと緊張してたんだな、

なんでか涙が止まらなくなって。

「ひ、光くん泣いちゃったあ…。ねえ、いのちゃん、薮くんは？？」

·

「あ、薮？薮なら、さっきダッシュで免許合宿行ったけど」

·

「免許合宿ぅ？！」

·

「光くんと早く、デートしたいんでしょ。ほんと、愛されてるねぇ、光くん。」

·

大ちゃんが静かに電話を切った。

「え、薮は…どこに行ったの？」

「免許合宿だって。」

「免許合宿？！」

「免許とって、光くんと早くデートするんだって。いいな、俺もいのちゃんとドライブしたいー！」

合格発表終わったばかりなのに…

気が早すぎだろ、ばか…

でも、一生懸命講習を受ける薮を想像したら

なんだか可笑しくて、

ついつい笑ってしまった。