BE ALIVE 〜強く、生きる〜

episode40 ページ43

涼介side



慧「…過去に何があったの？」



涼「…黒澤、知ってるよな？」



慧「え？…うん。

山田の元仲間だよね？」



涼「あぁ。

この傷は、黒澤につけられた。」



慧「…え？」



涼「…昔の俺はめちゃくちゃ弱くてさ。

黒澤の後ろにくっついてばかりだった。


でも、黒澤は力を求める男だった。


強くなりたいと思いながらも、何も努力しない俺は、ただのお荷物だったみたいで。



ある日、別れようって言ってきた。」



慧「それって…。」



涼「…仲間割れっていうのかな？


俺は、その時は黒澤のことを心から信頼してたから、すっげぇ悲しくて。


思いとどまって欲しいって頼みこんだ。




…その時だよ。


あいつが裏の顔をみせたのは。」



慧「裏の…顔？」



涼「あぁ。


あいつが俺とつるんでたのは、金目的だった。


その事をはっきり言ってきたんだ。



…確かに黒澤は、事あるごとに金を要求してきた。


でも、俺もバカだったから。


それが友情なんだと勘違いしてて。」




思い出すたび、悔しくなる。


友情って何なのか、まだ若い俺にはわからなかったんだ。




涼「…そしてあいつは、呆然とする俺を殴り、蹴った。


まるで、今までのストレスを発散するかのように。


最終的には、うつ伏せに倒れる俺に馬乗りになって、手の甲をナイフで切りつけたんだ。


…それが、この傷。」

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