乗り越えろ、過去を。【2】

▽vsチョウ ページ20

コマンダーside




コマンダー「スコープ、準備はできたか？」



スコープ『あぁ。』



コマンダー「じゃあ…作戦通り、適当にターゲットを狙ってくれ。

俺が近距離で敵を引きつける。

そのほかの皆は、ひとまずここで待機。」



「「ラジャー。」」





全員が頷いたのを確認して、視線をターゲットへと戻す。



大きな羽を優雅に羽ばたかせ、空中に浮かんでいる…真っ黒な、チョウ。



今のところ攻撃的な様子はないが…




ダンッ！


…と、スコープが攻撃を始めた。





コマンダー「ハッ…！」




短く息を吸い、走り出す。


チョウとの距離をグングンと詰めていく。




コマンダー「…！！」




チョウと目があった。


…気がした。




ブォオオ…！




コマンダー「ッ！？」





チョウがゆっくりと羽を一振りすると、キラキラと輝く…粉が、落ちてくる。



なんだ？この粉は…





慌てて後ろに飛び退き、粉を避ける。





ファルコン『大丈夫か？』



コマンダー「問題ない。」




一つ息を吐いて、刀を構え直す。



ザンッ！



思いっきり刀を振り回して、衝撃波をチョウへ向け飛ばした。





コマンダー「…まぁ、そううまくはいかないか。」





相変わらずひらひらと優雅に飛びながら、俺の攻撃をかわすチョウ。



これは長期戦になるな、と頭の片隅で考えた。

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