切り開け、未来を。【1】

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ドクターside





現場に着くと、巨大化、そして凶暴化した…アリの大群。



このままでは街が、壊滅してしまう…





ファルコン「こっちだ！かかってこい！！」




ザシュ！ザシュ！



作戦通り、まずはファルコンJrが手裏剣を投げてアリの注意を引く。



その間にコマンダーが、アリの間をすり抜け、時には頭上を飛び越え、奥へ奥へと進んでいく。







昨日呼吸困難になっていたコマンダーは、薬が効いたのか、苦しそうな素振りは今のところない。



…のだが、ここで僕は、別の違和感に気づいた。






コマンダーが、片手しか使っていないのだ。


二刀流のはずなのに、今は左手に一本刀を持つだけ。


右手用の刀は、鞘に収まったまま。





ドクター「どうして…？」





今まで、こんなことは一度もなかった。





片手で足りる相手だから…？


…いや。コマンダーはそんな、相手をなめてかかるようなタイプではない…と、思う。





だとしたら…考えられる可能性…





…待てよ。


右手…？





昨日、コマンダーが刺されたのも…右手…





ドクター「まさか、コマンダー…！」





使いたくても、使えないとしたら？



昨日、敵から受けた毒の症状が、呼吸困難だけじゃないとしたら…？




ファルコン「ッコマンダー！危ないっ！！」




直後、ファルコンJrの大声が響く。



見れば、女王アリの元にたどり着いたコマンダーが、高く舞い上がり、左手の刀を勢いよく振り下ろしている。



…が、その後方から、1匹のアリがコマンダー目掛けて飛びかかっていたのだ。




ドクター「まずい…！」

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