切り開け、未来を。【1】

▽その男は ページ2

？side





「今日からこのグループ入ることになった、コマンダーだ。

武器は二刀流で、短距離を得意とする。

その名の通り司令塔をしてもらう。」





ジャニーズの幹部に連れられて入ってきたその男は、意外にも小柄で、華奢な体つきだった。



静かに俯いていて、表情はよく見えない。





「ほら、挨拶を。」



「……。

…コマンダーだ。よろしく。」





幹部に促され、渋々といった様子でぼそりと呟いた。



ぺこりとお辞儀をすると、もう用は済んだとばかりにまた押し黙る。



その態度に、ただでさえ歓迎していなかった俺たちは反感を覚えた。





「…君たちも、挨拶を。」



「…。

スコープだ。リーダーをやっている。

狙撃銃を使う。


…ソニックハンター。」



「あぁ。ソニックハンターだ。

武器はブーメラン。

中距離が得意だ。サポートに回ることも多い。」




「ラピッドファイヤー。

マシンガンで戦う。

…足、引っ張んなよ。」



「ギークです。

非戦闘員で、武器開発が専門。

パソコン周りも得意だよ。」



「バレット。

2丁拳銃使い。

撃破速度には自信がある。」



「ドクターです。

その名の通り医療担当。

運動神経は良い方だけど、一応非戦闘員だから。」



「SHINOBIです。

武器は…えーっと、まきびし、とか…

さ、最近はクナイもちょっと…頑張ってます。」





…っと、俺の番か。





「ファルコンJrです！

珍しい手裏剣使い！

名前はJrまでがセットだから！！



……あれ、ここ笑うとこなんだけど…」



コマンダー「…。」





せっかく場を盛り上げようとテンション高めに挨拶したのに、コマンダーは無反応。





「…まぁ、うまいことやってくれ。」





苦笑いの幹部がいなくなると、一気に険悪なムードが漂ってきた。

2→←プロローグ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す