切り開け、未来を。【1】

▽貧血 ページ39

ファルコンJr.side




ファルコン「…どう？」



ドクター「…症状としては、貧血だね。

こんなにひどいのなかなかないけど。」




コマンダーのまぶたを再びめくり、ドクターは心配そうにため息を吐いた。




ドクター「まぁ、こっちはまだいいんだけど。


……。

…睡眠剤、入れようかな。」





コマンダーは、まだうわごとを繰り返していた。



ドクター曰く、意識を失うか失わないかという狭間をうろうろしている状態なんだって。



いっそ意識を失ったほうが楽なんじゃないかって思ってたけど。



どうやらドクターもその方が良いと判断したらしい。





SHINOBI「睡眠剤、持ってきたよ！」



ドクター「ありがとう、SHINOBI。」





ドクターに指示されたとはいえ、俺たちをわざわざ迎えにきてくれたSHINOBI。


そのまま流れで一緒に看病してくれて。


お前は、優しい奴だな。



…でも。





ファルコン「いいの？SHINOBI。」



SHINOBI「なにが？」



ファルコン「いや、ほら…

コマンダーと…関わって。」





コマンダーを受け入れた俺たち。


受け入れられないスコープたち。


SHINOBIは俺たちの方についちゃっていいの？って。





SHINOBI「…うーん。


みんながこのままバラバラになるのも嫌だし。

できれば中立のままでバランスとっていたかったけど…


…こんな状態の人を、ほっとけないよ。やっぱり。」





お前は優しさのかたまりか？



…あぁ、でも。


今ので気づかされたよ。




無意識に対立していた俺たちを。


仲違いしないように、少し離れたところから冷静に見ていたんだな、お前は。





ドクター「よし…っと。

これでしばらくは大丈夫…なはず。」




ドクターが睡眠剤を打つ。



しばらくすると、コマンダーはようやく静かになった。





ファルコン「…よかった。」





これで一安心…









…だと、思っていた。

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