BE ALIVE 〜強く、生きる〜 その弐

episode79 ページ35

涼介side




涼「うぅ…くっ…ﾊｱ…ﾊｱ…」




血が出るまで唇を強く噛んで、痛みに耐える。



こりゃあ…右腕、折れたな。



左腕もたぶん、ヒビが入ってる。





そのせいなのか、腕をちょっと動かしただけで、ものすごい痛みが走る。



さっきまでの体の痛みなんて、全然平気なんじゃないかと思えてくるくらい、それはひどいものだった。




黒「いい顔するねぇ？

ほーんと、いじめ甲斐があるよ。」




そう言ってニヤニヤ笑う黒澤を今すぐ殴ってやりたいが、相変わらず両手は縛られたまま。



おまけに両腕を負傷。





…一体どうしたらいいんだよ…！！









そんな怒りはやがて、あきらめへと変わっていく…







『…もう、諦めようかな。』





ふと、そんな思いが頭をよぎる。






やっぱり俺は黒澤には勝てないのかな。



みんなには悪いけど…俺にはもう無理だよ。



俺にしては、けっこう頑張ったんじゃないか？



だったらもう、いいよね…？







気づけば俺の思考は、「どうやって黒澤を倒すか」から「どうやって降参するか」へと変わっていた。









…その時。






【あきらめんなっ！！】






涼「……！！

大…ちゃん…！？」




大好きな、優しくて心強い声で、我に返る。




大「しっかりしやがれ、やまだぁ！！

お前の強さはそんなもんか？


…違うだろっ！！


俺は…そんな弱っちい奴についてきた覚えはないぞっ！！」




涼「…大ちゃん…。」




大きく肩を上下させながら、俺に喝を入れる大ちゃん。






…なんでかな。



大好きな君を見た瞬間、体の底から、力が湧き出て来たんだ。

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