ヒロインにストーカーされてます・合宿編

五十五話 ページ6

｢ほう…客観的に見ると、やっぱり阿吽の二人は気持ち悪いほど息が合うな…｣

敵に回すとなかなか厄介である。とは言え、幼なじみがいるのは青城だけではない。

｢クロっ…！｣

｢任せろ！｣

研磨はなんと言っても観察力がある。だからなのか知らないが、チームメイトの状態、敵の状態をよく見て一番適切な攻撃を仕掛けてくる。怖い相手だ。

まあ、及川もセッターとしては負けてないと思うけど？セッターとしてはね？人間としてはあれほど大人げない高校生いないと思う。影山に対して。

｢あと…やっぱリエーフかな｣

手足が長い。異常に長い。前に音駒と戦った時に感じた、あと少しの決定力。リエーフはこの先伸びるだろう。期待したくない。

夜久君も、かなりハイレベルなリベロだ。音駒にとってはいてほしい所に、相手にとっては居て欲しくない所に、いつの間にか居やがる。

公式戦で戦ったことは、私の代では一度もない。だけど、音駒というこのチームはかなり厄介になってくるだろう。

結果は、23-25で青城が勝った。喜んでいいのか悪いのか。

｢フライング１周ー！｣

ふと、桜井ちゃんのいる方を見る。こちらに気付いた桜井ちゃんは、にっ、とまるで悪戯が成功した子供のような顔で笑った。さらにガッツポーズをした。

正しい意味は分からないけれど…多分、青城を誇りに思う笑顔だろう。



(先輩のバレーのことをかんがえているときの顔…しかとこの目に焼き付けましたよ！)

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