2 ページ7
→
「うーっそれにしても夜はまだ冷えるね」
「そんな薄着だからでしょ。中に着てるのまたタンクトップだったじゃん。」
「だって日中は暖かかったから〜いいかな〜って」
「仕方ないな…」
桜を見上げるガリさんに自分を上着をかける。ビックリしたようにこちらに視線を向けたガリさんは触れてやっと上着に気づいたらしい。
「えっいいの？」
「だって風邪ひかれたら心配する。」
「そんなの俺も同じなんだけど…」
「俺は大丈夫。ガリさんよりは健康体だから。」
「俺が貧弱みたいな言い方だなそれ」
「貧弱ではないけど、俺より風邪ひいた回数は多いでしょ〜」
「それは否定出来ないけどさ…ありがと。」
「そうそう、それでいいよ。」
照れくさそうにするガリさんに、彼氏っぽいかなと頭をポンポンしてあげた。どう反応してくれるのかな。
「…作ちゃん今日彼氏感すごい」
「言ってくれると思ってた」
もう少し人が少なければもっとくっつけたんだけど。生憎人がいるからそんなに派手なことは出来ない。
「…ねえ、作ちゃんは寒くない？」
「寒くないっていえば嘘にはなる。誰かさんのせいでね。」
すこし嫌味っぽくなっちゃったかもしれない。けどガリさんなら違う解釈の仕方をすると思うんだ。俺はガリさんのそういう人と少し違うところに惹かれてるから。
「そっか…」
とだけ呟いた。思ってたのと違うな。これは俺も予想外なことになりそう、と少し身構える。身構える意味は特にない。
すると周りをキョロキョロとしたあと、俺のそばに近寄ってきて、そっと腕を組んだ。
「えっ…あの…ガリさん…？」
「寒いんでしょ。…これで少しはあったかくなる、かな。」
「〜〜〜っ！」
「あれ、作ちゃん？おーい、作ちゃん？」
多分俺の顔は真っ赤だし、ガリさんの行動があまりに予想外で、可愛くて、戸惑った挙句とりあえず空いてる方の手で顔を覆った。頭を抱えたって表現でも合ってるかもしれない。だって可愛すぎる。
「すごいあったかくなった。心が。」
「身体があったかくならなきゃダメなんじゃないの。」
「あれだよ、身体の芯からポカポカみたいなやつ」
「お風呂？」
結局今日はガリさんが中がタンクトップと言えど、少しばかり女性らしい服を着ていたことに理由をこじつけ、腕を組んだままあまり目立たなそうなところを歩いた。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
curo(プロフ) - 雲屋さん» ありがとうございます〜〜〜（ ; ; ）頑張りますので何卒よろしくお願い致しますね！！ (2019年6月25日 0時) (
レス) id: 8373f93501 (このIDを非表示/違反報告)
雲屋(プロフ) - ゆとそや、さくそや最高すぎて今日一気に読み進めてしまいしました！これからも作品楽しみにしてます！ (2019年6月22日 20時) (レス) id: 5bc075ee3b (このIDを非表示/違反報告)
京子(プロフ) - はむ太郎さん» 素晴らしすぎます、、猪狩くんの可愛さが溢れ出てて読んでて心がギュッとします！笑 みんなから愛される猪狩くんほんとに尊い、、 (2019年6月20日 22時) (レス) id: 297433a5df (このIDを非表示/違反報告)
はむ太郎(プロフ) - 京子さん» わあ！有難うございます（ ; ; ）猪狩くんは可愛いの賜物なので表現出来ているなら幸いです。。。！笑 (2019年6月17日 23時) (レス) id: 8373f93501 (このIDを非表示/違反報告)
京子(プロフ) - はむ太郎さん» ゆとそや、さくそや最高です。猪狩くんがかわいすぎる、、 (2019年6月17日 23時) (レス) id: 297433a5df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：curo | 作成日時：2019年5月6日 10時
